2013年3月22日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第47回



















転校生といえば多いな。衛星都市の
特徴と、社会科の時間に先生はいった
けど、団地が1つ建つたびに、東京の子
がクラスに入ってくる。今じゃ、クラスの
6割が東京っ子だ。最初、彼らはもの
珍しさから”ほんやマ.”をのぞく。マンモス
団地の谷間に、ポツンと縁日の小屋が
あるのが不思議というわけだ。
縁日の小屋?表からは、5円や10円の
駄菓子やおもちゃ、それに群がるチビ
たちしか見えないもの。
でも、一歩中に入ると‥‥、あ、いたいた、
勝男に富田。チラと目が合って「や」。
あいさつはそれっきり。短いほどいいのだ。
立ち読みのじゃまをしないことが、常連の
最低のエチケットである。声高にマンガに
ついてしゃべったり、女の子のうわさを
したりするのは、マンガに入門したての
はしゃぎ者やBランクのやることだ。常連
になるやつは、もちろんマンガが好きだ。
そのほかに、この雰囲気、本箱の林の間
の薄暗くて静かな場所を愛せる者でなく
てはならない。そんな連中が黙ってそば
にいる。これが自転車のハンドルをここに
向けてしまうのだ。


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ようこそ!街のふるほんや『本のある暮らし』へ Part.36

令和6年( 2024年)新年明けましておめでとうございます。 街のふるほんや 本のある暮らし は 1月5日より営業開始いたします。 本年もよろしくお願いいたします。 本の寿命を考えたことがありますか? 大切に読めば、何年でも読めます。 本の中身も、何年経っても古びない、 流行に左...