2013年2月22日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第43回












はじめまして!
どんなことから書いて いいのかわからなくて すこしばかりあがっています。
会社の友達(辻井さんといって 私たちはみんな 修ちゃんと呼んでいます。)
修ちゃんから借りて ほんやマ.の本を読んでいます。
私は漫画が大好きで それに関するものはなんでも知りたくて 
修ちゃんと話している時 フトでた このほんやマ.のことが知りたくて 
無理いって ほんやマ.のほんを借りてしまいました。
これを読みながら思います。
私の小さい頃にも 近所に貸本屋さんがあって お金をにぎりしめて 
よく通ったものでした。今日は どんな本を読もうかと悩んだことを 
昨日のように覚えています。今では昔よりすこし お金持ちになったから 
好きな本を たくさん買うこともできますが 少ないおこづかいの中から 
借りて読んだ本は とてもうれしく また楽しい思い出のひとつです。
そして私のまわりから 貸本屋さんが無くなってから 
ずいぶんとたったような気がしてなりません。とっても残念です。
だからもし 私の知っている所にありさえすれば すぐ寄ってみたい
衝動にかられてなりません。だけど現実には 不思議なことに 近い所にないのです。
私はぜひほんやマ.の貸本屋さんに行ってみたいのです。
今でも読みそこねている たくさんの古い本を読んでみたいのです。
もちろん新しい本もですョ。

私の友人にも やはり漫画の大好きな友人がいて、2人してこんなことを話します。
「ほんやマ.にゆけば COMの古い本があるかもしれないね?」
「私 読みたい。昔の読んだことないもの。」
「なんとか 行きたいものねぇ」

最後になりましたが 私は22才。ある書店に勤めている女の子です。

     ☆     ☆

兵庫県に住む女の人からの便りです。
いつか きっと、ほんやマ.にいらっしゃい。


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2013年2月15日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第42回

いままで、これで買える小僧は、時々、こんな風にして
何も買わずに帰ってしまっていたのですから
「これいくら」
「10円。」
「かえないや」と。

ほんやマ.のおじさんも、はじめのうちは、5円しか持って
こなかったのかなと思って気にもしていませんでしたが、
ある時、チョコレートを持って、これいくらと聞かれて、
20円と答えた時、買えないやと言ってたのに、今度は、
ラーメンを持ってきたのです。50円のラーメンは買えない
なと思いながら、差し出された、左の手のひらを見ると、
なんと、50円玉が1個光っているではありませんか。
あれっと思いながらも、スプーンを渡して、その50円玉を
受け取ったことがあります。
ほんやマ.のおじさんには、だんだんわかってきました。
これで買える小僧の、お金に対する考え方が。

     ☆     ☆

これで買える小僧は、いまにも目を回して、ひっくり返り
そうです。あの日、これで買える小僧の、お金に対する
考え方は、すっかり変わってしまったのです。いままで
信じていた世界はガラガラと音をたてて、崩れ落ちて
いったのです。
これで買える小僧は、いつかおつり小僧になってゆきます。
おつり小僧にならずに、欲しい欲しい小僧になる子もいます。
そして、多くの子供たちが、そのどれにも属さずに、育って
ゆくと、貨幣のつくりあげた価値観、ものの値段が認められ、
お金の社会が維持されてゆくようになるのです。
ー100円玉というのはすごいんだ。10円玉10個と同じ
なんだもの。いつも使っているおもちゃじゃない、紙の
お金は、もっとすごいんだからー
ほら、今日もまた、おつり小僧がやってきました。










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2013年2月8日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第41回

ほんやマ.に着くと、もうカッくんたちがきていました。
「やあ、カッくんもきてたの」
ーさあて、何を買おうかな、あっ、新しいアクマイザー
のめんこがある。やったあー
「おじちゃん、これちょうだい」
「あいよ」
10円玉1個渡して、4枚1束になったアクマイザーの
めんこを買って、さて左手を開いてみると、おとうさん
がくれた100円玉が、1個ピカピカと光っています。
ーでもなあ、100円玉じゃ、プラモデルか、トランプしか
買えないもんな。でも、このアクマイザー欲しいなあ。
買いたいなあー
これで買える小僧は、思いきって、100円玉と
アクマイザーのめんこを、両手に別々に乗せて、
「おじちゃん、これでかえる」
「買えるよ」
「ほんと」
「うん ほんとだよ」
「だってこのめんこじゅうえんでしょ。ボクもってるの、
ひゃくえんだよ。」
「買えるよ。めんこ1つ買うなら、90円のおつりだ」
「えっ、おかねもらえるの」
「うん、100円玉1個と10円玉10個と同じだもの。
1つ10円のめんこなら、10個買えちゃう」
「ほんと」
「へぇー」
大変な驚きようです。地球がひっくり返ったような顔です。


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2013年2月1日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第40回

10円玉と50円玉と100円玉は、これで買える小僧に
とっては、まったく別個の、なんらつながりを持たない
お金なのです。ですから、50円のプラモデルを買うには、
50円玉がなくてはならないのです。たとえ100円玉を
握りしめていようと、プラモデル1つ買ったら、50円玉
1個おつりがくるなんて、思ってもみません。まして、
ふ菓子を1本買うのに、100円玉を出せば、50円玉
1個と10円玉4個、あわせて5個のお金が戻ってくる
なんて、信じられっこありません。

あの日、100円玉1個と10円玉1個持って、ほんやマ.に
行った日、ショックだった日。

いつもは、たいてい、10円玉1個か2個、おかあさん
からもらって、めんこかなんか買って帰るのですが、
その日は日曜日だったので、おとうさんがいて、特別
におこづかいをくれたのです。それが100円玉1個。
おかあさんにもらった10円と、あわせて、100円玉1個
と10円玉1個です。
(110円ではないのです。あくまで1個と1個)


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ようこそ!街のふるほんや『本のある暮らし』へ Part.36

令和6年( 2024年)新年明けましておめでとうございます。 街のふるほんや 本のある暮らし は 1月5日より営業開始いたします。 本年もよろしくお願いいたします。 本の寿命を考えたことがありますか? 大切に読めば、何年でも読めます。 本の中身も、何年経っても古びない、 流行に左...