2012年8月3日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第14回


子どもは、自分にも書けたという喜びと、やっと本が
借りられそうだという予感で、なんとなく体がうきうき
してくるのを止めることができません。貸本屋のおじ
さんの言葉も、ズンズン頭の中に入ってゆきます。
「よし武里君だね。この漫画はあさっての○曜日まで
ね。読めちゃったら早く返してもいいけど、遅れると
1日につき、1冊10円の追加料を取られるから遅れ
ないように。」
「罰金?」
また、ちょっぴり心配になってきました。返すのが遅
れると罰金を取られると言うのです。
「うん、そうだよ。返すのが遅れちゃうと、この本を読
たいと思っている子が、なかなか読めないでしょう。
読みたい人みんなの本、だからね。」
それならーみんなの本ならー遅れたら罰金を払うのは
当たり前のことです。
「うん、でも大丈夫だよ。ぼくなんか漫画すぐ読めちゃう
もの。明日返しにきちゃう」
「それで、君の番号はBの○○番覚えてね。そうしたら
本を借りる時すぐわかるからね。このしおりに書いとく
よ。じゃ、20円」
もう平気です。借りる手続きは済んだはずだし、自分の
番号を書いた紙はもらったし、あとは借りるお金を払え
ばいいだけです。
「はい20円。おじちゃん、明日持ってきちゃうからね」
「うん、じゃあね」

     ☆     ☆

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ようこそ!街のふるほんや『本のある暮らし』へ Part.36

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