子どもたちは、すでに造られ、与えられるだけのモノが
氾濫している日常の中で、自らの手で作り、考え、飛び
跳ねて遊ぶことができなくなるような状況に、追い込ま
れてはならないと思うのです。自分たちの力で、もっと
楽しい日々を摑まえようとすべきです。まして、そうした
現実を支えることしかできない悲しいおとなたち、増長
することに加担し平気でいるおとなたちの、子どもたち
への責任は計り知れません。
子どもの心のひろばの中に、漫画というものを通して
参加し、あるいは一緒になって心のひろばを形作って
ゆける貸本屋となれたら‥‥ そんな貸本屋に、
いろんな子どもが、さまざまな思いを小さな胸いっぱい
にして、きょうはあの本を借りよう、早く続きを読みたいな。
と自転車に乗ってやってくるのです。
子どもは、生きています。ひとつの身体と、心を持った
人間として。
自転車にのって ベルをならし
あそこの原っぱまで 野球のつづきを
そして帰りにゃ 川で足を洗って
自転車にのって おうちへ帰る
自転車にのって 自転車にのって
ちょいとそこまで あるきたいから
自転車にのって ベルをならし
となりの町まで いやなおつかいに
そして帰りにゃ 本屋で立ち読みを
日が暮れてから おうちに帰る
自転車にのって 自転車にのって
ちょいとそこまで あるきたいから
自転車にのって 自転車にのって
ちょいとそこまで あるきたいから
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