2012年7月28日土曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第13回

きょうは 何して 遊ぼう

「おじちゃん、この本貸して」
借りたい本の見つかった子どもは、その本を持って勇んで
やってきました。貸本屋のおじさんが、初めて借りるのかと
聞くと、子どもはうれしそうに言います。
「うん、初めて」
おじさんは、机の下からなにやら帳面のようなものを出して
きて、それをおもむろに広げると、番号の書いてある所を
指さして、ちょっぴり偉そうに言います。
「ここに、名前と住所を書いて」
子どもは一瞬何のことかと思い、その帳面の指さしてある所
を眺めていましたが、そのうちひとりで納得すると、心配そう
に聞き返しました。
「漢字で書くの?」
「ううん、ひらがなでもいいよ。でも書けたら漢字で書いてよ」
そう言われてほっとした子どもは、ゆっくりと書き始めました。
「ええと、名前はたけさと一。そいで住所はと‥‥おじちゃん
何て書けばいいの?」
また心配そうに聞きます。住所をどう書いたらいいのか、
わからないのです。貸本屋のおじさんがどこだと聞くと、ポツリ
と一言。
「だんち」
「それなら、武里団地の何番の何番の何番て書けばいいよ」
そう聞くと、なあんだそれなら簡単だというような顔つきで、
再びボールペンを握りしめました。
「だんちの○の○の○。書けた!」

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2012年7月20日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第12回

中学校の上級生は、池田理代子ベルサイユのばら」、山岸涼子
アラベスク」、萩尾望都ポーの一族」など。ながやす巧の「愛と誠
は、今、静かなブームです。
また、みつはしちかこ小さな恋のものがたり」は、長く愛され、読ま
れてゆく漫画の一つでしょう。

その他全般的によく読まれているものは、楳図かずおの「おろち
アゲイン」など、「漂流教室」は男の子の方がよく読んでいるようです。
ところで、怪奇スリラー漫画とでもいうべきものを読むのは、ほとんど
が女の子なのです。これはおとなでも同じです。反面、山上たつひこ
「光る風」、日野日出志「地獄の子守唄」「幻色の孤島」などには、
あまり興味を示しません。ひたすらこわい漫画を、こわいこわいと
言いながら読むのは、女の子なのです。

☆     ☆

特筆すべきは、長谷川町子の漫画「サザエさん」で、昭和21年5月
福岡市の夕刊フクニチの紙面に初登場。以来、東京は世田谷に
姉妹社を創立し、姉毬子の手により、同社より出版された「サザエさん
は、実に60余冊に及んでいます。これほど、男女年齢を問わず広く、
愛し読まれている漫画は、他に類をみません。


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2012年7月13日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第11回

女の子

小学校の低学年では、吉沢やすみど根性ガエル」、
よこたとくお「マーガレットちゃん」、横山光輝魔法使い
サリー」「おてんば天使」、赤塚不二夫ひみつのアッコ
ちゃん北島洋子スイート・ラーラ」などがよく読まれて
います。一時、さまざまな論議を巻き起こした、永井豪
ハレンチ学園」などは、小学校の低学年に人気がある
ようですが、ほんやマ.での、貸出し状況はよくありません。
実際は、立ち読みなどで、男女共かなりの子供が読んで
いるのですが、さて借りてゆくということになると、臆して
しまう子供が多いのです。漫画を読むことに対しても、
まだまだ認めない上に、こんな漫画を子供が読むとは、
といった親の意識が、子供に微妙に影響していることは、
見逃せないと思うのです。

小学校の高学年から中学生

断然強い人気を持っているのが、里中満智子の漫画です。
ナナとリリ」「絵里子」、「アリエスの乙女たち」「初恋物語」
「ジュンとマリー」また「姫がゆく!」などもよく読まれています。
今村洋子チャコちゃんの日記」、山本優子「あの娘はダイナ
マイト」弓月光「どろん」「これでも奥様」これなどは、男子
中学生にも人気があります。

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2012年7月9日月曜日

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2012年7月6日金曜日

連載シリーズ「ほんやマ.のほん」第10回

さらに、昭和6年少年倶楽部に連載をはじめた、
田河水泡の「のらくろ三等兵」ほか「のらくろ軍曹
など一連ののらくろシリーズが、旧かなづかいにも
かかわらず、小学校高学年以上の男の子に、よく
読まれています。一方、宮尾しげを「○□(マルカク)
サン・ゝ(チョン)助サン」吉本三平「コグマノコロスケ
ナカヨシ倶楽部」などは、まったく読まれていません。
内容の違いもありますが、なんといっても片カナで
書かれているからなのでしょう。戦後しばらくは、
小学校に入学すると、まず片カナを習い、それから
平がなへと、それが今では、平がなをまず最初に
習うのですから、どうしても片カナの文章は読みにくい
のです。結局、旧かなづかいではあっても、平がなで
書かれ、漫画のおもしろさを持った、「のらくろ」に
人気が集まるようです。

☆星の数ほどの漫画が氾濫している中で、これらの
本が選ばれ読まれているというのは、何か子供たちの
心を捉えてはなさないものが、あるからなのでしょう。
それで、時の流れの中では、もろくも、忘れ去られて
いってしまう漫画が、あまりにも多いというのが現状です。

☆     ☆

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ようこそ!街のふるほんや『本のある暮らし』へ Part.36

令和6年( 2024年)新年明けましておめでとうございます。 街のふるほんや 本のある暮らし は 1月5日より営業開始いたします。 本年もよろしくお願いいたします。 本の寿命を考えたことがありますか? 大切に読めば、何年でも読めます。 本の中身も、何年経っても古びない、 流行に左...